Story
サナトリウムと言う名の閉ざされた世界
1937年当初は中華民国、続いて1941年からはアメリカ合衆国・イギリスなどとの長期戦を続けていた日本。大東亜戦争の戦況は悪化、1943年の学徒出陣の経緯から徴兵年齢の引き下げを恐れた長門家では世相を案じ、二人の息子を病気持ちと偽って療養させるという既成事実を作る事にした。
長門家は長男和幸と義兄弟で妾の子の榛名由紀夫、そして長門家に長く仕える家系の息子、霧島直実に東京を離れ田舎の屋敷で3人だけの暮らしを命じる。
表向きは長期的な療養を必要とする人の為の療養所、サナトリウムとされた個人所有の屋敷へ。
集団疎開に比べれば遥かに贅沢な生活、しかし誰ともかかわることのない、隔離された世界に3人だけが取り残されたように暮らしていた。
そこへ謎の少年、陸奥悠里がやって来る。
Human relations
少年達の関係とそれぞれの思い
- 長門 和幸 : 両親から愛情を受けずに育った為、人を愛する事に臆病で、誰も受け入れようとはしない。幼い頃から側に居る霧島直実の事を信頼している。
- 霧島 直実 : 長門家へ仕える家系として、幼い頃から和幸の側に居る。和幸を愛しているが その心情を表す事はほとんどない。 ひたすらひたむきに和幸を支え、守り、尽くしている。
- 榛名 由紀夫 : 苗字は違うが長門和幸の腹違いの弟で、妾の子。 霧島直実へ想いを寄せ、 時々その想いをぶつけるが適当にあしらわれ不満に思っている。
- 陸奥(武蔵) 悠里 : 壊れ物のように大切に扱われている和幸を、挑発して凹ませたり、すまし顔の直実を困らせよとするトラブルメーカー。由紀夫と息が合い、信頼を得る。